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2025.03.20

麻酔が効きにくいのはどうして?麻酔をよく効かせるには?

歯科治療では、痛みをともなう処置が多いので、麻酔をする機会もまた多くなります。 麻酔がしっかり効いていればいいのですが、中には麻酔がなかなか効かなかったというケースもあります。

麻酔が効きにくいのはどうしてなのでしょうか?また、 麻酔を十分効かせて痛みのない歯科治療を受けるにはどうすればいいのでしょうか?

今回は、麻酔の効果が出ない理由、そして麻酔を十分効かせるためのポイントについてお話しします。

局所麻酔の仕組み

私たちは、体が感じ取った感覚を神経を通して電気信号という形で脳に伝えます。 感覚には、痛みの感覚、触る感覚、見る感覚、匂いの感覚、聞く感覚などいろいろな種類があり、それぞれの感覚の神経での伝わり方も異なります。

局所麻酔薬は、数ある神経の中から、痛みを感じる神経だけに作用し、痛みの感覚が脳に伝わらないように神経を閉ざしてしまう働きがあります。 こうして痛みを感じなくさせます。

麻酔が効きにくい理由

麻酔が効きにくい理由

麻酔が効きにくい場合に考えられる理由がいくつかあります。

炎症を起こしている

歯肉が腫れるなど、炎症を起こすと、そこのpHは酸性に傾きます。 一方、歯科治療で使われている局所麻酔薬のpHは、アルカリ性です。

炎症を起こして酸性になっている部位に麻酔を効かせようと注射しても、酸とアルカリで中和されてしまい、麻酔薬の効果が下がってしまいます。 なかなか麻酔が効きにくい場合の多くは、炎症の有無が関係していると思われます。

骨の質

骨の質も麻酔の効果に関係があります。 一般的に下顎骨は、上顎骨と違い、骨密度が高く、骨にあまり隙間がありません。

麻酔薬は組織の隙間に浸透することで効果が出るようになっています。 下顎骨は浸透しにくいので、効果が出にくくなります。 なお、上顎骨は海綿骨と言って、スポンジのように隙間の多い構造をしているので、麻酔薬が浸透しやすく、効果が出やすいといえます。

思い違いも…

局所麻酔が効くのは、痛みの神経だけです。 ただ、感覚というのは痛みの感覚だけではありません。 先ほどお話ししたように、触った感覚、温度を感じる感覚など、いろいろな感覚があります。

麻酔が効いていて痛みは感じなくなっていても、他の感覚は残っているので、麻酔が効いていないと思い違いしてしまうこともあります。

麻酔の効果を高めるポイント

麻酔の効果を高めるポイント

では、麻酔の効果を高めるにはどうしたら良いのでしょうか?

炎症を緩和する

上述のとおり、炎症を起こしていると麻酔の効果が下がってしまいます。 麻酔の効果を高めるためには、まず炎症を緩和することが大切です。

腫れたことで麻酔が効きにくくなっているのなら、まず抗菌薬で炎症を抑えます。 虫歯が深くなり神経を痛みが強くなっているのなら、歯の神経を酸化亜鉛ユージノールというセメントで覆い、炎症を緩和させます。

これらはあくまでも一例ですが、このようにして炎症を和らげることが、麻酔の効果を高めるポイントです。

日を変える

麻酔が効かない時、次まで待てる処置なら、もしくは痛み止めなどで対応することもできる処置なら、無理に続けるのはなく、いったん中止するのも賢明な方法です。

痛みを感じながら処置を続けるのは、血圧の上昇をもたらすので、全身的にも良くないですし、何より苦痛でしかありません。 延期して日を変えるだけで、麻酔が効いてくることもあるので、効きが悪いと感じたら、無理をしないことも大切です。

時間経過を待つ

麻酔の注射をしてすぐに麻酔が効いてくるわけではありません。 注射してから、骨の中にある神経に届き、神経に作用するまで時間がかかります。

骨の質によって差がありますが、少なくとも5分くらい待つとよく効いてきます。 麻酔の注射をして少し待ってから処置するようにしましょう。

麻酔薬の追加

麻酔薬を追加するのも一つの方法です。 歯科用の局所麻酔薬の種類はいくつかありますが、代表的な麻酔薬であるリドカインの1回あたりの最大量は、歯科用の局所麻酔カートリッジ14〜15本くらいです。

10本注射してもまだまだ足りないくらいですが、普通の歯科治療では麻酔を10本も注射することはありませんから、少々追加しても安全性の問題はありません。

麻酔方法を変える

局所麻酔の方法は、治療しようとしている歯の近くの歯肉に注射する浸潤麻酔のほか、奥の方にある神経の本幹のあたりに麻酔を効かせる伝達麻酔という方法があります。

伝達麻酔は、脳から出てきた神経に直接麻酔薬を作用させるので、広い範囲に効果的に麻酔を効かせられます。 浸潤麻酔が効きにくいなら、伝達麻酔法で麻酔してみるのもいいでしょう。

まとめ

今回は、歯科用の局所麻酔薬が効きにくい理由と、麻酔の効果を高める方法を説明しました。お伝えしたように、麻酔が効きにくい理由になるのは、歯茎の炎症や骨の質、患者さんの緊張などですが、体質で麻酔が効きにくいという方は、ほとんどいません。

多くの場合は、患者さんのその時の体調などの条件が整っていなかったのが原因です。歯科治療には、なるべく体調を万全にして臨むようにしましょう。

もちろん成増さくら歯科では、痛みに配慮した優しい治療を徹底しています。 以前、麻酔が効きにくくて辛い経験をしたことのある方、麻酔が効きにくい体質なのではと思っている方は、ぜひ成増さくら歯科にお越しください。

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